[手の陰経] H1(肺経)、H2(心包経)、H3(心経)
[手の陽経] H4(小腸経)、H5(三焦経)、H6(大腸経)
[足の陰経] F1(脾経)、F2(肝経)、F3(腎経)
[足の陽経] F4(膀胱経)、F5(胆経)、F6(胃経)
文中において、(無)は、同一良導絡で「左右差が無いとき」を示し、
(有)は、「左右差が有るとき」の場合を示しています。
※ 「左右差」が[有る]ときと[無い]ときで、出やすい症候を意味します。
但し、(有),(無)によって現れやすい症候の傾向であって、症候をみるときの
「優先順」と考えて下さい。 絶対的なものではなく、逆も有り得ます。
※ (無)・(有)が書かれていない場合は、両方有り得る場合を示しています。
H1 良導絡・肺系(手之太陰)
関連内臓 |
肺(無) |
関連部位 |
皮膚・鼻・喉・肩・上肢(有) |
興↑ |
ほとんどが「肩・首筋のこり」(左右差有るときには特に)
「喉(のど)の痛み」(有)
希に:「咳」(無)〈(有)のときもあり〉 「痔」(有)
胸部に異常感があって汗がでる |
抑↓
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「手足の冷え・しびれ」(有)が多い
希に「息苦しい・咳」(無)〈(有)のときもあり〉
皮膚の異常 |
相関関係
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喘息などによる「咳」で、肺の上を走行する「F3」,「F4」 |
注意事項
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「F6」の何れか(または複数に)に異常としてでて、「H1」
に出ないケースが約半数あり。また、左右差(有)で「咳」が
あるので注意。 |
H2 良導絡・ 心包経(手之厥陰)
関連内臓
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心臓・血管(循環機能)(無) |
関連部位
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肩・上肢上腕(有) |
興↑
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「肩こり」・「上腕の痛み」が多い(有)
希に:「胸部・胸下部の痛み」・「心臓の異常」を訴える |
抑↓
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循環器機能の異常は、多くの場合「H2 抑↓」に現れる
「血圧異常」「動悸(どうき)」(無)
希に:「手掌が熱く感じる」(有) |
相関関係
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「H2 ↓」・「H3 ↓」とで「血管・血圧の異常」
「H2 ↓」・「H3 ↓」+「F5 ↓」で、90%が「血圧異常」
(内80%は低血圧,20%が高血圧−特に最低血圧が高い) |
注意事項
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H3 良導絡・心経(手之少陰)
関連内臓
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心臓 |
関連部位
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舌 |
興↑
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ほとんどが「胃部の膨満感(胃がはる)」・「便秘」(無)
「肩こり・上腕痛」、「手掌が熱く感じる」(有)
希に:「心疾患」(心筋梗塞の既往症等) |
抑↓
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「動き」(特に階段の上りなどの運動時、安静時にはない)
希に:「味覚異常」・「舌が回らぬ」(有) |
相関関係
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「H2 ↓」・「H3 ↓」とで「血管・血圧の異常」
「H2 ↓」・「H3 ↓」+「F5 ↓」で、90%が「血圧異常」
(内80%は低血圧,20%が高血圧−特に最低血圧が高い) |
注意事項
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排便直後には、H3が興奮↑する傾向がある
「H3 ↑」(無・有)の「心臓疾患」、過去に心筋梗塞等の
既往症のある場合が多い |
H4 良導絡・小腸経(手之太陽)
関連内臓
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小腸(無) |
関連部位
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耳・頭部・肩・上腕 ※リウマチ (有) |
興↑
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「頭痛・頭重(ときに偏頭痛)」を訴える人が多い
「下腹部の異常(痛み,張り,熱感)」,「便秘」(無)
「五十肩などの上腕の痛み」(有) |
抑↓
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「頭痛・頭重(ときに偏頭痛)」を訴える人が多い
「下腹部の異常(痛み,張り,冷感)」(無)
希に:「耳鳴り」・「難聴」(有) |
相関関係
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※リウマチに関連あり。関節痛・浮腫があって、この経に異常
(興・抑とも)あるときは、リウマチの疑い |
注意事項
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H5 良導絡・三焦経(手之少陽)
関連内臓
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淋巴管 泌尿 (無) ※副交感神経 |
関連部位
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耳・肩・上肢上腕(有) |
興↑
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はっきりした自覚症状を訴えることが少ない
「小便・発汗の異常(多い,少ない)」(無)
「耳なり」(有),「肩甲部・上肢の痛み」(有)
希に:「めまい(内耳性)」(有),「微熱がある」(無) |
抑↓
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「疲れ易い」(特に「F3 ↓」を伴って)
「熱感」・「尿量減少」・「息苦しい」(無)
「肩甲部の痛み」(有) |
相関関係
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+「F3 ↓」で「疲れ易い」 |
注意事項
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若い女性の「H5 ↑」で無症状の場合有り(生殖機能旺盛)
「H5 ↑」で「小便・発汗」少ないときは、水分代謝をたか
めるよう(痢水−りすい)に心がける
※ 「H5」 の「三焦」とは、上焦,中焦,下焦の三つをいう
@上焦・・心・肺(心肺機能)A中焦・・胃・脾(消化機能)
B下焦・・腎・膀胱(泌尿機能)(良導絡では下焦に生殖機能
を加えている)
これら臓器への水液(営気)の流通と排泄が主たる働き |
H6 良導絡・大腸経(手之陽明)
関連内臓
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大腸(無) |
関連部位
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皮膚・口(歯)・肩(有) |
興↑
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ほとんどが「肩こり」・「肩甲部の痛み」(有)
「口中(特に歯)の異常」(有),「皮膚異常」
「便通異常(便秘と下痢をくりかえす)」(無) |
抑↓
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ほとんどが「肩こり」(有)
「便通異常」(無) ,「歯痛」(有),「皮膚異常」 |
相関関係
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「H1 ↑」で「のどの痛み」 |
注意事項
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F1 良導絡・脾経(足之太陰)
関連内臓
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膵臓・胃・脾臓 ※消化機能 (無) |
関連部位
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関節・鼻(有) ※精神 |
興↑
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多くは「胃弱・消化不良」(食べ過ぎ、油ものによる)(無)
「食欲亢進」・「食事の不規則」・「吐き気」(無)
「関節(特に膝)痛」(有)
「蓄膿(鼻)」・「鼻炎」(有) |
抑↓
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多くは「胃弱・消化不良」(消化力の低下による)(無)
「膝関節痛」(有) 「不眠・取り越し苦労」(無)
「糖尿」(無) |
相関関係
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「F1 ↑↓」+「F2 ↑↓」(+「F6 ↑」あれば確率高い)
で「胃下垂・胃潰瘍型」 |
注意事項
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F2 良導絡・肝経(足之厥陰)
関連内臓
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肝臓・生殖器 神経 睡眠 (無) |
関連部位
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眼・筋肉(有) |
興↑
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「不眠」の訴えが多い。(無)
女性で「婦人科(特に月経)異常」(無)
「眼精疲労」・「筋肉痛(腰痛・肋間神経を含む)」(有)
希に:「肝臓の異常」(無) 「気分不快(怒りっぽい)」 |
抑↓
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「眼精疲労」(有)
「たちくらみ」・「元気がない」・「性力減退」(無)
「筋力の低下」(有) |
相関関係
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「F1 ↑↓」+「F2 ↑↓」(+「F6 ↑」あれば確率高い)
で「胃下垂・胃潰瘍型」 |
注意事項
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F3 良導絡・腎経(足之少陰)
関連内臓
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副腎・腎臓(無) |
関連部位
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咽喉・耳(有) |
興↑
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「F3 ↑」はほとんどない。 「気分がイライラする」
「喉の奥の痛」・「耳鳴り」(有)
希に:「血圧が高い(腎性)」(無),「慢性の腎臓障害」 |
抑↓
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「F3 ↓」の人は、全体の70%を超す。「副腎機能の低下」
女性で「足腰の冷え」,「疲れ易い」・「精(性)力減退」
「集中力の持続に欠ける(根気が無い)」,「記録力減退」
希に:「喉の異常」・「耳鳴り」(有)、「尿量減少」(無) |
相関関係
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+「H5 ↓」で「疲れ易い」,「尿量減少」 |
注意事項
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F4 良導絡・膀胱経(足之太陽)
関連内臓
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膀胱 脳 ※神経の脊髄断区 |
関連部位
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後頭部・後頚部・背中・腰部・下肢(有) 眼の奥・涙腺 |
興↑
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多くは「首筋・背中・腰の痛み」,「下肢の異常・神経痛」
希に「眼の奥が痛い」,「涙腺の異常」 |
抑↓
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「F4 ↑」に同じ
腰痛の場合「だるい」,「おもい」といった感じが強い |
相関関係
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注意事項
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「F4」は、左右差の有無に関わらず、圧倒的に「腰背部痛」が
多い |
F5 良導絡・胆経(足之少陽)
関連内臓
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胆嚢(無) ※副交感神経 |
関連部位
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眼・筋肉・耳(有) |
興↑
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「F5 ↑」は、非常に少ない
「頭(特に側頭部)が重い」,「口が苦い」(有)
「耳閉感」(有) |
抑↓
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「眼精疲労(目が疲れやすい)」(有)
「筋力低下」(有) 「めまい・たちくらみ」 |
相関関係
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注意事項
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「F5 ↓」は大変多い。 副交感神経系の症候や、症候が慢性
化すると、「F5 ↓」が出現する。(+「F5 ↓」=慢性化)
H2参照 |
F6 良導絡・胃経(足之陽明)
関連内臓
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胃(無) ※精神 |
関連部位
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咽喉・歯・口・乳腺・関節(骨格)(有) |
興↑
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「関節痛」・「歯痛」・「口唇が乾く」・「のどの痛」(有)
「食欲異常(大食)」・希に「胃炎」(無)
「乳腺炎」(有)、「唇・口・喉が乾く」(有) |
抑↓
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精神的に「落ち込んだ」状態(欝)・「あくび」(無)
「食欲不振」・「腹がなる」(無)
「口唇が乾く」・「関節の異常」(有), 「悪寒」 |
相関関係
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消化機能の異常は「F1 ↑↓」に現れることが多い。[胃]そ
のものに機質的な異常があるときは、「F6 ↑」が現れる |
注意事項
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ノイロシステムビジョン(NSV standard)では、さらに詳しく画面表示します。
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